日本刀の構造や長さとは?初心者がおさえておきたいポイントを分かりやすく紹介
当サイトは日本刀の構造や長さに関する情報をご紹介しています。
初心者がおさえておきたいポイントを分かりやすく紹介しているので、これから刀剣について詳しくなりたいという人におすすめです。
これらの刃物は一体どんな素材で作られているのか、疑問に思う人にも役立つ可能性があります。
また振りかぶるときと斬り下ろすときのポイントなども解説しています。
どのように使われるのかを知ることで、奥深い世界を楽しめるはずです。
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日本刀の構造や長さとは?初心者がおさえておきたいポイントを分かりやすく紹介
- 多くのパーツで構成されている日本刀の構造
- 日本刀は長さによって呼び方が異なる
- 時代によって変遷がある日本刀の成り立ち
- 日本刀は日本独自の発展を遂げた刀
- 日本刀の製造方法である鍛錬とは? (2022/11/07)
- 折れにくさと曲がりにくさ両立することに成功した日本刀 (2022/11/07)
- 切れ味が名前になった日本刀の名刀 (2022/11/07)
- 日本刀の主な数え方は10種類ある (2022/11/07)
- 美術品・骨董品としての評価が非常に高い日本刀 (2022/11/07)
日本刀の構造や長さとは?初心者がおさえておきたいポイントを分かりやすく紹介
美しさと実用性のある美術工芸品として多くの人を惹きつけているのが日本刀ですが、初心者の場合にはどれも同じに見えることも多いのではないでしょうか。
日本刀の本体のことを刀身といいますが、さやに入る部分と柄に入っている部分があります。
全体の長さを全長と言いますが、刃の部分の長さは刃長と呼ぶのが特徴です。
日本刀の長さはそれぞれによって異なりますが、一般的なものの場合の刃長はおよそ70センチメートルほどとなっています。
柄を含んだ全長は95センチメートルほどにもなります。
多くのパーツで構成されている日本刀の構造
武士の魂ともいわれる日本刀ですが、単に刀という場合もあります。
古来の日本人が出かける時の必需品であり、重要な武器でした。
単に携えるだけではなく、武士道の精神を象徴する神聖な物という考えがありました。
刀身本来の完成された美もありますが、それ以上に刀を包み支えて守り、剣を扱う者が実際に使える様に外側にもたくさんの工夫と技術が凝らされています。
日本刀と言ってもそれを分解すれば、多くのパーツで構成されているのが伺えます。
刀の構造は、刀身と呼ばれる本体です。
切れる部位と持ち手所謂、グリップの芯として柄に収まる部分のなかごから出来ています。
刀の長さは刃の部分を指します。
なかごには作った人の名前や刀自身に名付けられた号を刻む事があります。
刀身には彫金が施されており、武人の守護を祈る物が多いです。
細かい名称は、分かりにくいので、大まかな名前としては、この他に刀身と柄の間に施される円盤状の部分を鍔と呼びます。
日本刀は長さによって呼び方が異なる
日本刀はサイズや形状によって呼び方が変わります。
刀剣や日本刀の長さは尺で表記されるのが一般的となっていますが、1尺は30.3cmとなっています。
太刀(たち)は打刀に比べると反りが大きく、刃渡り60cm以上のものをいいます。
60cm以下のものは「脇差」となります。
太刀の中でも、刃渡り90cm以上となるものは大太刀(おおだち)と呼び、野太刀(のだち)とも呼ばれています。
打刀(うちがたな)は、太刀に比べると反りがあまり深くなく、刃渡りが60cm以上のものをいいます。
現在では、日本刀と呼んだ場合、この打刀をさす場合が多いです。
脇差(わきざし)は、刃渡り30cm以上60cm未満の刀をいいます。
短刀(たんとう)は、30cm未満のものをいいます。
長巻(ながまき)は、刃身と柄の長さがほとんど変わらず、全体で180~210cm位になります。
薙刀(なぎなた)は、刃身は約30~60cmで柄は約90~180cmとなっています。
時代によって変遷がある日本刀の成り立ち
日本刀と聞くと、どのような形のものを思い浮かべるでしょうか。
古墳時代以前からすでに鉄製の刀剣類が製作されていましたが、その頃は直刀という反りのないまっすぐなものでした。
歴史ドラマなどで私たちがよく見るような反りのある湾刀へ移行したのは平安時代中期以降と考えられており、日本刀と呼ばれるものが確立したのもこの頃からです。
しだいに武士が台頭してくると、これまでの上品な姿から豪快な力強い姿に変化していきました。
幅が広く刀長90センチ以上の長大な刀が作られましたが、重さを軽減するために重ねを薄くするなど工夫がなされています。
その後は集団の歩兵戦に適した刀長70センチ前後の刀が多く作られており、戦闘様式や合戦で実用的効果をあげるために日々改良が施されてきました。
しかし江戸の世になると、これまでのような戦争はなくなったため日本刀は飽和状態となり、次第に刀は作られなくなっていきました。
明治維新を経て、明治9年に廃刀令が出されると一部の例外を除き日本刀は作られなくなっていきます。
現在では美術工芸品として存在し、私たちにその姿を伝えています。
日本刀は日本独自の発展を遂げた刀
日本刀は日本文化を象徴するものです。
その理由は日本国外にはない独自の発展を遂げてきたからです。
例えば、日本刀は包丁やナイフと違って真っ直ぐではなく反りがあります。
これは、平安時代に馬に乗って戦いを行ってきたことに起源があります。
直刀の場合は相手を斬った際に衝撃が強く斬りにくい為、反りをつける事によって力で引いて斬るようにし、馬の上からでも扱いやすい武器に変化していったのです。
他にも特徴があり、鎬(しのぎ)と言われる膨らみも存在しています。
平たい刃面であると縦から加わる力に弱いために頑丈にすることを目的とした変化と言われています。
作り方にも独自の発展があり、日本刀は叩くことで形を整えて頑丈にしていくという方法です。
平たくするなどは整えることは簡単ですが、頑丈であるように膨らみを作ることや反りを作ることは長い歴史が作ってきた精巧な職人の技ともいえ、時代が経つにつれその美しさにも着目されるようになってきています。
日本刀の製造方法である鍛錬とは?
日本刀の製造における鍛錬とは重要な工程の1つですが、イメージできても具体的な説明が行える人は限られるのではないでしょうか。
鍛錬は繰り返し叩いて不純物を取り除く製造工程のことで、熱して柔らかくなった素材を平らになるまで叩き、折り返して叩くを繰り返すのが特徴です。
この気の遠くなるような繰り返しが日本刀の粘り強さの秘密で、良い切れ味と簡単に折れない強さを併せ持つことになります。
日本刀は硬い鉄を意味する皮鉄で、柔らかい鉄心をくるむようにして作られます。
叩いて折り曲げる鍛錬の目安は15回で、層に換算すると実に3万を超える薄い鉄の層が生成されます。
集中力と熱さに耐える精神力、そしてより良いものを作ろうとするプライドがなければ、本物の日本刀は完成しないことが分かります。
世に出回っている価値ある作品の数々はいずれも、このように職人が魂を込めて作ったものですから、改めてそう考えると大切に扱いたくなるのではないでしょうか。
折れにくさと曲がりにくさ両立することに成功した日本刀
若者だけでなく、幅広い年代の間で日本刀が空前のブームとなっています。数多くのアニメやソーシャルゲームでモチーフにされているからであり、各地で開催をされている展示会には大勢の方が足を運ばれているほどです。
そこでここでは簡単に、日本刀の魅力について述べていきましょう。今は美術品というスタイルで目にされていますが、もともとは武器です。
室町時代から江戸時代にかけて使われており、実用性に特化した形状になっています。
まず日本刀は真っ直ぐではなく、軽く湾曲をしている刀身を持っているものです。これは強い力でぶつかったときに折れないようにすると共に、曲がらないという両立に成功をしています。
鍛冶職人によって鍛錬をなされ、このときに熱せられた鋼を叩くことで湾曲させることが可能です。
西洋の剣では両立をさせたものはなく、日本刀なら硬い岩に刃を振り下ろしても折れることは滅多にありません。試行錯誤をして生み出されたものです。
切れ味が名前になった日本刀の名刀
切れ味の鋭さが名前の由来となっている日本刀は多いです。鬼切丸は源氏に伝わる名刀で、源満仲が作らせました。この日本刀は始め髭切と呼ばれていました。
試し切りで罪人を切ったところ、髭まで切り落とせたためです。その後源満仲が家臣の渡辺綱に貸し出し、京都の一条戻橋で鬼の腕を切り落としたことで鬼切丸に変わりました。
骨喰藤四郎は粟田口吉光による名刀で、足利尊氏に献上されたものです。切る真似をして見せただけで骨を砕かれてしまうほどの切れ味があったとされます。
別の文献では骨まで染みるように感じられたともあり、どちらにせよ骨喰藤四郎がすさまじい切れ味を持っていたことが分かります。
小豆長光は上杉謙信の愛刀で、この名前が付いたのは彼の手に渡ってからのことです。
ある男性が小豆袋を背負って歩いていると、小豆がこぼれ落ち偶然刀に当たりました。
すると小豆が真っ二つに割れたことで、上杉家の家臣が買い取って小豆長光として愛されるようになりました。
日本刀の主な数え方は10種類ある
優しい明るさをもたらし湿気も吸い取ってくれる障子やイグサの良い香りが漂い心を落ち着かせる畳やアクセントになる床の間の掛け軸など、和質のインテリア性を向上させる趣あふれるアイテムはたくさんありますが、厳かな雰囲気を醸し出す日本刀もそれにあたります。
日本刀を愛するコアなファンは意外と多く、コレクションアイテムでもあり高値で取引されることも多いです。
そんな日本刀の奥の深さを表しているのが数え方で、本や剣や口や腰や刀や振などその単位は10種類あると言われています。
取り扱う店舗や貯蔵されている美術館・博物館や専門家や媒体などによって統一されている場合もありますし、日本刀のデザインやサイズによって使い分けられる場合もあります。
奥深くて重厚感や趣があってデザイン性にも優れていてわかりやすいかっこよさがあり、こだわりを持って収集するファン心理が理解できるなと感じる方も多いはずです。
知れば知るほど魅力が増していく不思議な存在です。
美術品・骨董品としての評価が非常に高い日本刀
日本刀は、ほとんどが平安時代から鎌倉時代にかけて作られていました。「折れず曲がらずよく切れる」という特徴があり、これは、砂鉄を木炭で低温製鉄することにより作られた玉鋼を基礎にして、その外側に硬い皮金を施して作られているからです。
鞘もさまざまな趣向を凝らしたものが多くあり、今や日本刀は単なる武器ではなく、優れた美術品としても世界で高い評価を受けているのです。
その証拠に、これまで数多く作られてきた日本刀の中で、国宝および重要文化財に、三点の刀が選ばれています。
また骨董品でもあると注目されていて、鞘や柄の部分に、美術的に優れた装飾が施されているものが大人気です。
かつては武士の魂とも言われ、重要な武器として使用されていた日本刀ですが、その美しく気高い佇まいに惹きつけられ、現在は愛好する人が世界中に増え続けているのです。
形や放つ輝きだけでなく、その当時の思想や歴史的背景などを無言で語りかけてくるような強いメッセージ性を持ち、観る人の想像力を掻き立てて引き込むようなその強さは、まさに日本の誇りと言えるでしょう。